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陽岳寺仏前式ブログ ~いままでの、これからの『縁』に愛を誓う。~

仏教の考える幸せって?(スッタニパータより)

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2000年~2500年も昔、インドから始まった仏教。そのはじまり、おしゃかさまの考える「幸せ」とは何なのでしょうか?
仏教のはじまりの時代に近い、おしゃかさまの話しを聞くことのできた時代に近いころの経典。スッタニパータという経典があります。
そこに書いてある「仏教の考える幸せ」について、すこし学んでみましょう。

仏教の考える幸せって?(スッタニパータより)

昔インドでは詩をつらねていくことが流行していました。いまでも行われるそうですが、大切な言葉を何度も言うように、同じことをくりかえし説くのだそうです。
スッタニパータにも詩がつらなるように書かれています。
 
 
あるとき、おしゃかさまにある神さまが聞いたそうです。
「多くの人々と神々は、幸福を望み、幸せを思っている。もっともすばらしい幸せとは、なんでしょうか。」と。

すると、おしゃかさまは多くを説きます。

「いまから言うことを心に置いて、意識して、生活を送れば、あなたは幸せでいられるはずですよ。

  • 世の理を知らない、愚かな人には近づかないように。賢い人に親しみ、尊敬すべき人々を尊敬しましょう。――これがこよなき幸せである。
  • 自分に合った生活をして、こうして自分が生きていることの不思議をよく考えて、親やおじいちゃん・おばあちゃん、さらにおじいちゃん・おばあちゃんたちに感謝をすること。そして、彼ら彼女らを大切にしましょう。――これがこよなき幸せである。
  • 勉強と、暮らす知恵と、自分の仕事についてよく学ぶことです。その体験した知恵を独り占めせずに、シェアしましょう。――これがこよなき幸せである。
  • お父さんとお母さんを大切にすること。一緒になった家族を愛しまもること。あなたの仕事とは何かよく考え、行動すること。――これがこよなき幸せである。
  • 困っている人には優しくすること、金品を与えてでも。道理にかなった行いと、家族や親族を愛しまもること。そして非難を受けるようなことはしないように。――これがこよなき幸せである。
  • 悪とはなにか考え、知り、離れること。深酒におぼれないようにして、あなたが良いことをしたとしてもムダになってしまわないように気をつけなさい。――これがこよなき幸せである。
  • 大切なことは、尊敬と謙遜と満足と感謝です。さらに大切なのは、あなたや世の中が大切だと思っている思想や哲学をひろく学ぶことです。――これがこよなき幸せである。
  • なにかあったとしても堪え忍ぶこと。温良であるように。いろいろな道を進む人に会って話を聞き、議論をすることです。――これがこよなき幸せである。
  • 知識を高め、品性を磨き、自己の人格形成につとめること。清く正しい生活と世の真理をはっきりと知り、実践するように。――これがこよなき幸せである。
  • 世間一般の事件やニュースを見聞きしても、ふりまわされず、不必要に心配せず、悪い行いをすることもなく、こころ安らかでいること。――これがこよなき幸せである。

以上のことをすれば、どんなことがあっても大丈夫だろうし、どんなことがあっても幸せのままでいられるはずです。」(以上、陽岳寺訳)
 
 
どうでしょうか。箇条書きとしては項目が多く、たくさんのことを説いていますが、当たり前のことを言っているだけのような気がします。

新婚旅行へ行けて幸せ・誰にもできない体験ができて幸せ、と思って嬉しくなるのが人間です。
でも、毎日ふたりで暮らせること・家族が笑顔で生きていること・子どもの成長を日々目にすること・美味しいご飯が食べられること・手を繋いで散歩できること・好きだよという言葉に好きだよと応えること。幸せはすぐそこにあるけれども、この日常を幸せとして守りつづけることに努力が必要なのだと。

当たり前のことを当たり前にすることは難しく、しかし手の届くところに幸せはある。
そんなことをおしゃかさまは教えてくれているのでしょう。

参考図書

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダのことば―スッタニパータ (岩波文庫)

ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)

ブッダの真理のことば・感興のことば (岩波文庫)

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