YOUGAKUJI WEDDING BLOG.

陽岳寺仏前式ブログ ~いままでの、これからの『縁』に愛を誓う。~

【お坊さんコラム】仏前式と教会式との違いって?

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photo by Mike Boening Photography

仏前式とは何か?
そんな疑問へのアンサー記事が、このブログでも書かれています。

お坊さんである私も、友人たちの結婚式・披露宴に呼ばれることがあります。
そんなとき、もちろんスーツ姿で参ります。お坊さんの格好で行ったらドン引きされますし、なにより目立ってしまいますからね(主役を引き立てることもゲストの務めです)。

ホテル内に設置している教会での結婚式に立ち会ったことがありました。そこで牧師さんや神父さんは仰っていました。
「神さまの御前で、あなたたちは永遠の愛を誓いますか?」
と。

仏前式とは、仏さまの前での式。教会式とは、教会という神さまの前での式。

しかし内容が違っていました。
一神教の結婚式では、「あなたたちの永遠の愛を、神さまと契約できるか」を試されていました。

契約。

神さまを信じていない人にとっては、この契約はファンタジーでしょう。しかし、信じている人にとっては、神さまとの契約は絶対のものとなります。
結婚式を縁にして、入信される方もいるかもしれません。それならばいいのです。しかし、信じていない人にとってはファンタジーにすぎません。

なぜなら、「神さまとの契約はどうとでも解釈できてしまうから」です。
神さまを信じているならば、ふたり手を取り合い、神さまの御許に寄り添い、幸せに暮らすことを努められるでしょう。
しかし、信じていないならば、「どうとでも解釈」できてしまいます。せっかく皆さんやお二人が時間と場所を共有するにもかかわらず、「どうとでも解釈」できてしまう式を経て、その二人は仲むつまじく、幸せに、生き続けることができるかは・・・疑問です。

仏前式は、仏さまを信じる「あなたたちの愛を、仏さまに報告をする式」です。
報告される仏さまをどのように解釈するかが試されます。

ここに仏教の、禅宗の真価があります。
禅宗では、仏さまとは『私たちが持っている、本来清浄とした心』のことを指します。
このことを信じられるかどうか。そうだよな、と確信して、二人で生きていけるかどうか。

そもそも、“結婚”とは、二人の合意を持ってこその式です。
「どうとでも解釈」できる何かに誓う結婚もいいでしょう。信じている人にとっては絶大なるものです。「どうとでも解釈」できるなんて言えません。あなたが信じているならば。

仏さまとは、二人の合意を尊重する『私たちが持っている、本来清浄とした心』です。その仏さまを大切にしている仏前式。
とても現実的で、現代らしい式ではないか。そう思います。


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